委員会体制

担当理事中嶋 淑子(県立精神医療センター)、林 次郎(大島病院)
委  員神尾 美樹(群馬労働局)、工藤 さつき(相談支援事業所みのり)、白鳥 浩丈(高崎健康福祉大学)、
中嶋 脩介(ワークセンターまえばし)、堀之上 史隆(大島病院)、米山 恵美子(県立精神資料センター)、
松井 朋美(群馬病院)

<倫理委員会に興味のある方は、担当理事 中嶋 までご連絡ください >

 2023年度より倫理委員会が新たにスタートしました。
 委員会新設に至った委員の「想い」を改めてまとめると、
 ❶ 私たちの「精神保健福祉士として」の部分と「それぞれの働く場所での一職員として」の部分の間で生じる「倫理的ジレンマ」を乗り越えて行きたい。
 ❷ そのために皆で模索してゆける「場」を構築したい。
 ❸ その行為が倫理的かどうかをジャッジしたり犯人探しをするのではなく、あなた(=MHSW)にとっての「倫理」の実現について一緒に考えたい。
ということになります。

 倫理委員会というと、通常、ある専門職の行為が人権や倫理の基準に照らし合わせて適正かどうかを判断する(ジャッジする)ための場や、あるいは研究倫理の文脈でその研究が対象者の権利を侵害しないよう設計されているのかを判断する(ジャッジする)ための委員会を指します。しかし、この倫理委員会ではさしあたり「ジャッジする」ということを保留して、「ジレンマとその対応」に焦点を当てることとしました。まずはジャッジよりもジレンマの共有が重要だと考えたからです。

 MHSWはクライアントとの間で、他職種の専門職との間で、同じMHSW間で、地域住民との間で、組織のヒエラルキーの中で、さまざまな倫理的ジレンマを抱えます。「倫理的ジレンマにどう向き合うか」ということは、MHSWの理念である人権擁護型・生活モデル型支援の前に出現する大きな「壁」にもなります。
 その「壁」の乗り越えについては「その人まかせ」になっていて、課題を共有できずに応援し合えていないこともあるかもしれません。応援し合える“つながり”が乏しい現場で、当初“支援への夢”をもってMHSWになった人々が疲弊していったり、専門職としての成長や熟達を途中で諦めたり、“MHSWとしての良い支援”へのこだわりを手放すことで折り合いをつけるといったことも生じているかもしれません。
 しかし、クライエントや患者さんのために「ソーシャルワークの名に値するソーシャルワークをしたい」「ソーシャルワークと呼べないような仕事の仕方を変えたい」という会員も決して少なくないはずです。
 ですので、この委員会の今年度の取り組みでは、委員が「倫理」を一方的に定義して上から目線で語るのではなく、まずは会員の皆様それぞれの中にある「支援の軸」こそ倫理であると理解して、会員が自分の支援軸(=倫理)に基づくソーシャルワークができるように応援していこう、ということになりました。

 倫理委員会は始動したばかりで、まだまだ発展途上の小さな委員会ですが、今後ともご理解ご協力のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。